【疾走】2ビート・Dビートの打ち込み方法【ドラム】
メタルやパンクによく使われる疾走系ビート(2ビート)を打ち込みドラムで再現する方法を解説します。一度やり方を覚えてしまえばとても簡単ですのでバンド系 DTMer は是非覚えましょう!
2ビートとは
2ビート(ツービート)とは、ビートたけしさんのお笑いコンビ…ではなくて、2拍を基調に刻むドラムビートの総称です。
つまりハイハット刻みの、2拍め、4拍め、6拍め…にスネアがくるイメージです。
この定義だとジャズやカントリーでもよく使われるみたいですが、ロック以降のバンド音楽においては専ら速いビート、いわゆる疾走ビートの事を指します。
↓これですね。(※ファイル容量削減のため音質は下げています)
よく使われるジャンルとしては、ハードコアパンク、メロコア、スラッシュメタル、メロディックスピードメタルなどなど…。
かつては Discharge(ハードコアパンクのレジェンドバンド)のアイデンティティであったことから別名 D-Beat などとも言われます。
今回は、初心者向けにこのビートの打ち込み方を解説したいと思います。
2ビートのピアノロール
早速ですが、上記のサンプルデータの打ち込みピアノロール画面をお見せします。BPM は180で分解能は16分(1/16)です。サンプルのためベタ打ちですが何卒。
これをベースに解説していきたいと思います。
ボイシング・キーマッピングについて
まず、上記のピアノロール画面において、どの位置が何のドラムパーツを叩いているのかを説明しないと始まりませんね。
一番下が C1 なのですが、これがバスドラムになります。
下から2番め(D1)は、スネアになります。
上から2番め(下から3番め、C2)は、ハイハットです。
一番上(C#1)は、フレーズの頭に入れるアクセントのクラッシュシンバルになります。
繰り返しになりますが、BPM は180で分解能は16分(1/16)です。ここまでで感の良い人にはもう何をやっているのかが分かったかも知れませんね。
(補足)2ビートたる所以
2ビートとは何かというところの補足ですが、このように刻みの2拍めにスネア(アクセント)がくるので2ビートと言われます。
ただし、後述しますがビートが速くなってくると1拍目は省略したりする場合もあったりしますので、この定義にこだわる必要はあまりないです。
(重要)1拍の表にバスドラ、裏にスネア
疾走ビート打ち込みの超基本の考え方は、BPM の1拍中に、表:バスドラム、裏:スネアを配置することです。
これを繰り返していくと、「ドッタンドッタン」というビートが出来上がります。BPM を速くしていくと自然と疾走感のあるビートになっていきます。
画像では、アクセントとして BPM の偶数拍に、バスドラムをダブルで配置しているのがわかるかと思います。これで「ドッタンドドタン」というこの手のビートでよく聴かれるノリが出来るわけです。
(重要)ハイハットの表は弱く
こちらは疾走ビートのノリを出す上でやったほうが良いテクニックになります。
自分でちょっと叩いてみると分かるのですが、速い BPM でこのノリのハイハットを全部強く叩くのは厳しいです。間に合いません。
逆に、スネアと同時に叩く箇所に関してはどうしても強くなります。
よって、ハイハットの表は弱く、裏は強くなるようにベロシティを設定してあげると良い感じにそれっぽいノリになってきます。
キャプチャは Studio One の GUI ですが、これだとノートのベロシティの強さが色の濃い部分のゲージとして表示されるので見やすいですね。
ハイハットの表を省略するパターン
ハイハットの表拍自体を省略してしまうケースもあります。
BPM 200超えなどのかなり速い曲になってくるとハットの刻みが辛くなってくるというのもあるでしょうし、BPM が速くなって相対的に時間単位の手数が増えてくるとこの方が自然に聴こえるようにも思います。
また、フレーズ始めのアクセントでクラッシュシンバルを入れますが、その次のスネアのところのハットも一緒に省略してしまうことが多いようです。
ライブハウスでドラマーのプレイを見ていたりするとこのパターンで叩いている人がかなり多い事に気付きます。もはや2ビートではなくなっていますが、打ち込んでみると「あ、それっぽい」となるはずです。
パンクっぽいパターン
バスドラムの配置をちょっと変えことでノリを変えることが出来ます。
この画像のような形でバスドラムを配置すると、「ドッタドットタン」というハードコアパンク系のノリになります。
BPM は少し遅めの 150~160 くらいにしてやるとかなりそれっぽくなります。
メタルっぽいパターン
メタルといえば、ツーバスドコドコです🤘
16分の分解能で隙間なくバスドラムを配置してやればメタルドラムの完成です🤘
軽快なパターン
「ドッタンドドタン」というバスドラムをダブルにするパターンから、ダブルの頭を抜いてやります。
すると、「ドッターンドタン」という感じのパターンになり、かなり軽快な雰囲気の疾走ビートを作ることが出来ます。
BPM が200を超えるようなかなり速い曲には特に有効です。合わせてハイハットを省略パターンにしてやるとよりそれっぽくなります。
まとめ
いかがでしょうか。仕組みは簡単ですよね。覚えてしまうと容易に疾走ビートが作れてしまうのではないかと思います。
速いだけに実際に叩いてみようとすると難しいんですけどね…笑
ちなみにこれをさらに速くしていくとブラストビートも作れます。
あとは是非自分で打ち込んで鳴らしてみてください。バンドものを作曲する際の参考になれば幸いです。
ちなみに冒頭のサンプル音源で使用したドラム音源は、いつも私が愛用している Shino Drums です。自分のプロジェクト用のプリセットにつき音は結構作り込んでいますが、こちらも参考になれば幸いです。