Soundtheory Gullfoss 【自動チートEQ】【レビュー】
話題のオートEQプラグイン、「Gullfoss」を購入しました。チートと言われている印象がありますが何がそんなに凄いのか、使って確かめてみましたので使い方や感想を紹介します。
Gullfossとは
Soundtheory 社が満を持してリリースした AI を用いたオート EQ プラグインです。
公式では「Intelligent Automatic EQ」と謳っていますね。
Mac 版が先に発売されていましたが、2019年3月にようやく Windows 版もリリースがされました。これで Windows ユーザーの私も使えるようになったので早速購入した次第です。
ちなみに「Gullfoss」の読み方ですが、グルフォスかガルフォスって感じかなーと思ったのですが、正しくは「グトルフォス」と読むらしいです。
アイルランドにある滝の名前だそうですね。Pixabay にあった写真だと以下のような感じ。エモいですね。
Gullfossで何ができるのか
通常の EQ のように周波数ごとにカット/ブーストやQを設定していくわけではありません。
その辺のことは AI が自動で解析してやってくれます。
我々ユーザー側のやることは、「どういう風にしたいのか」的なパラーメーターをプラス or マイナスに振って設定するだけです。
振った値に従って自動で良い感じに処理してくれるんですが、これ、特に何がチートかというと、特に中低域に多く発生する、ミックスでダマになってしまう部分をスッキリさせることが出来る点ですね。
Twitter 等でプロでもヤバイと言っている人が多かったので、手動でまともにやろうとするとかなり難しい技術であることが伺えます。
Gullfossの使い方
弄るパラメータは UI 上部の、RECOVER, TAME, BIAS, BRIGHTEN, BOOST の5つ。これらを上げ下げするだけの簡単操作。
で、メインというか、 Gullfoss の根幹は、RECOVER / TAME です。
RECOVER で埋もれている成分を上げ、 TAME でダマになっている原因の成分を下げます。
これによって中低域の団子ミックスが一瞬で綺麗になります。
BIASは、+で RECOVER 、−で TAME にかかり、どっちの処理に寄せるかの調整が出来るみたいですね。
感想
確かに使ってみた感じ、中低域がリアルガチで凄くスッキリします。
これを普通の EQ で手動でやれと言われると、、少なくとも自分では出来ないかなと思いました。これが上記の通り簡単操作でサックリサクサクと出来てしまうのでやはり凄いですね。
BRIGHTEN パラメータで高域の調整も出来ますが、やはり旨みは中低域ですね。まるで超我慢してからうんこを放出した時のようなスッキリ感。(汚い)
注意点としては、やりすぎると音が結構変わってしまうので、さりげなく掛けるのが良さそうな感じなことと、CPU処理がやや重めなことですね。内容的にもマスターや重要なバストラックにかけるイメージかなと思います。
番外:スッキリさせることが必ずしも正義ではないことに気付く
基本的にこのすんごい機能を使わない手はないレベルなので割と余談といえば余談なのですが、使ったことで逆に気付いたことがありました。
それは、ラウド・ヘヴィ系のバンドサウンドは中低域が団子やダマになっていた方がかえって強さがあってカッコ良い場合があり得るということです。
最近のモダンな音なら多分そんなことはなくて普通にスッキリさせたほうが良いと思いますが、90年代風の音だったり、ちょっとアンダーグラウンドな音を狙う時に。
例えば Madball みたいなニューヨークハードコア系のパンチのある音は団子ミックスの方がカッコ良い可能性高めです。
こういうピンポイントな需要に限っては敢えて Gullfoss が不要となるかも知れません。
これ、完全に使ってみたからこそ気付いた話で、ミックスの知見が増えました。
まとめ
近年、プラグインの市場が成熟してきたのか技術の進化なのか、高性能チート系プラグインが色々とリリースされるようになってきました。
iZotope なんかも Ozone 等で勢いを増しているように感じますし、AI の波がプラグイン市場にも来ているような感じもありますね。
ひと昔前の Waves を持ってれば大体OKな頃とは随分と時代が変わったようにも思います。(自分の知識がなかっただけかな?あとWavesは良いですよ。)
そんな中でもこの Gullfoss は特にチート的な性能を誇るヤバい感じのプラグインの筆頭なのだろうなと思いました。
とにかく、一瞬でダマになっていたミックスがスッキリする気持ちよさは、わりと衝撃。ミックスにお悩みの方、ミックスのクオリティを上げたい方は是非一度試した方が良いと思います。
財布もチートで無限に出来るといいんだけどなあ…笑
商品情報
公式サイトから購入が可能です。公式サイトは下記。